のちに初代総理大臣となる伊藤博文の青春時代を描いた幕末コメディ『ヒノマルライズ~伊藤博文立志伝~』。今回は幕末史の中でも屈指の人気を誇る高杉晋作が大活躍。藩論が二分した長州藩の中で孤立しかけた高杉晋作は、ひとりでもクーデターを起こすべく、功山寺で挙兵した。これにいち早く呼応したのが、当時力士隊という諸隊を率いていた伊藤俊輔(博文)だった。俊輔が高杉側についたことで、ほかの諸隊も高杉とともに、藩政府と戦うことを決意。高杉らの正義派が、藩の実権を握ることに成功した。
 これで一気に長州藩の幕府への態度は倒幕に加速し、明治維新まで一気に走り抜けることになった。このきっかけとなるのが、今回描かれた「功山寺クーデター」だ。
 俊輔はなぜこのクーデターに参画したのか、彼が選び取らなければならなかったものはなにか、現在の日本を作り上げた人々の、青年期の煩悶を追体験できるコミックス、今回も是非読んでみてほしい。