誰しもが逃れることのできない死。人の最期に寄り添う仕事が、葬儀屋だ。その葬儀屋を描いた漫画が清水俊の『終のひと』。主人公の嗣江宗助と、嗣江葬儀店に入社してきた梵孝太郎の二人を軸に展開し、様々な葬儀の現場を描き出す、異色のお仕事漫画。
『終のひと』の4巻が5月26日に発売になった。今回は、嗣江葬儀店に舞い込んできた大型案件である自動車メーカーの社葬と、嗣江が葬儀屋になる前、刑事だった時代が描かれる。嗣江の後輩の熱血刑事、吉田晴哉は、自殺と思われる遺体を前に、捜査を尽くすべきだと語り、遺体を解剖することに。そこで描かれるのは、警察と遺体を解剖する監察医と葬儀屋の複雑な関係性。神奈川県警は、全国でも驚異の解剖率41%となっているが、その背景には何があるのか。ニュースにもなったので、その状況を知っている方もいるだろうが、実態を知ると恐ろしい気持ちになる。
 あなたがいつ何時、喪主として葬儀にかかわることになるかは分からない。そのときになって焦らないためにも、本作を読んでみてはいかがだろうか。