ウクライナ侵攻で世界からの批難が続くロシアのプーチン。長すぎる独裁の結果、歯止めがきかなくなったという見方も多くあるが、世界の歴史に目を向ければ、プーチンなどもかわいく見えてしまうほどの「最凶」の独裁者たちがたくさんいた。
 その中でも、もっともよく知られているのが、秦の始皇帝だろう。中華を初めて統一したことで「始皇帝」と呼ばれているが、始皇帝の名は嬴政という。彼が始皇帝と名乗る前、秦の中華統一を阻もうと炎の命を繋ぎ続ける男たちを描いた歴史大河ロマンが、王欣太による『達人伝~9万里を風に乗り~』だ。王欣太の想像力によって生み出された「丹の三侠」という3人の男たちを軸に、戦国四君や当時の将が縦横無尽に活躍する大作だが、その最新刊32巻が発売された。
 秦の天下統一をどうにか阻止するため、丹の三侠は各国を走り回り、ついに趙の龐煖を総司令官として、義心連合軍が結成された。秦都・咸陽を目前にした函谷関に迫り、三侠と義心連合軍はどう戦うのか。物語はいよいよ佳境に入り、一刻も目を離せない展開になってきた。歴史の目撃者となれ!