――沢口さんの漫画遍歴を教えてください。

 一番古いのは……小学校の頃バスケットボール部だったので、部員たちの影響もあって『黒子のバスケ』(藤巻忠俊)を読んでました。私がいた小学校が、名古屋市で一番強かったんですよ。強い先生がいて、その先生が赴任してきたときに私は一番下の学年だったんですけど、その世代が一番上の学年に上がったときにすごく強くて。私は補欠組だったんですけど、スターティングメンバーがほぼ「キセキの世代」で、応援歌に「キセキの世代」って言葉が入るくらい、みんな『黒子のバスケ』を読んでました。

――何が面白かったですか?

 『SLAM DUNK』(井上雄彦)と比べてしまうんですけど、なんで私たちは『SLAM DUNK』』じゃなくて『黒子のバスケ』なんだろうと思ったら、多分その時に流行ってたからだと思うんですけど、でも『黒子のバスケ』のほうが面白いと思ってしまうんですよ。『SLAM DUNK』』は地道だけど、『黒子のバスケ』って一回見ただけで人の技をコピーできるみたいな必殺技とかがあるほうが面白いみたいで。パスしたボールが消えるとか、そういうのにみんな憧れて、「いいよねあんなパス出せたら」とか言ってましたね。

――好きなキャラは?

 主人公の同じ高校の伊月(俊)くんっていう副キャプテンの人がすごくかっこよくて好きでした。ダジャレとか言ってみんなをシラけさせる人なんですけど、私『SLAM DUNK』だと小暮(公延)が好きなんですよ。メガネかけた、すごい良いときにタイミングよく助けてくれそうな感じの人が好きで。小暮さんとか伊月くんが好きでした。

――当時はスポーツ少女だったんですか?

 そうですね。スポーツして、放課後みんなで何話すかってなったら『黒子のバスケ』のこと話したりしてましたね。

――その後に読んでいた漫画となると?

 うちの弟が、学年は二つ違うんですけど、年齢はひとつ違いでわりと近くて、誕生日に『ONE PIECE』全巻買ってもらったりしてて、それを後追いで一気に読んだりしてました。

――少女漫画はどうでしょう。

 『こどものおもちゃ』(小花美穂)くらいでしたね。あとは、それこそ今は電子書籍で待てば0円とかで読めるじゃないですか。そういうので高校時代はめちゃくちゃ読んでました。それこそLINEマンガとかで出てくるようなものが好きで。それと同時期にBLとか百合とかにハマってそういうのも読み出したり、どんどんジャンルが広がって本棚が訳分かんないです。

――BLとか百合系で好きな漫画はありますか?

 中村明日美子さんが初めて描いたBLもので、『同級生』っていうシリーズものがあるんですけど、それはすごくキュンキュンしました。初めて読んだ時は絵があんまり得意じゃないかもなと思ったんですけど、なぜかその絵がどんどん目に合ってきて、ストーリーも面白いし、なんか「純愛」っていう感じ。ただただ純粋無垢な愛だなって。BLだけどそんなにガツガツしてないんです。初めて読んだBLはもっとガツガツしてたんですけど、人に勧められて買ったのがそれで、こういうBLもありだなって思いました。

――百合も読むんですか?

 さつま揚げさんっていう作家さんの『同棲生活』っていう、これもシリーズものを出してて。百合ってやっぱロリ系が多いんです。社会人百合ってなかなか出してくれなくて。百合ってまだBLに比べて市場が広くないので、pixivで漁ったりして好きな絵描きさんを見つけてて、出してくれてるのを呼んだりとかして。

――pixivで探して、その作家さんの紙の作品があるか探したり。

 でも大体pixivで読めるのでそこで読んで、どうしても紙が欲しいってなったらアニメイトとかで探してみたりして。

――電子のほうが多いですかね。

 漫画はそっちのほうが多くなりました。電子書籍って全部試し読みで読めちゃうから、「1巻買ってみようかな」って楽しみがなくなったなって思いました。試し読みで読んで欲しいなってなったら紙を買ったりするんですけど、時代だなと思いながら、電子も有効活用させてもらってます。

――上京にあたって持ってきた漫画はありますか?

 全部持ってきました。『トリコ』(島袋光年)全巻とか、『黒執事』(枢やな)とか。『ハガレン』(鋼の錬金術師(荒川弘))は最初のほうの、お父さんが娘と犬を合体させてキメラを作っちゃうっていう話がトラウマすぎてそこから進めなくて、5巻くらいしか持ってないのでそこまで持ってきました。あと『聖☆おにいさん』(中村光)とか好きで。一番好粋なのは、アニメから入って好きだなって思ったんですけど『ヲタクに恋は難しい』(ふじた)ってのが好きで、それは全巻ビシッと揃えて。

――『ヲタ恋』の魅力はどこですか?

 ヲタクが恋をしていくっていう話なんですけど、とにかく主人公の二藤宏嵩っていうゲーヲタの男の子がすごいタイプで。センター分けでメガネでゲーヲタで、そういうところが私的にはすごくどストライクで、その人をめがけてずっと読んでるんですけど、二番手くらいのカップルたちの話もちょっとジーンとしたり、コメディだけで終らせてない作品だなって面白く読んでます。

――やっぱり漫画ではキュンキュンしたい?

 そうですそうです。漫画はキュンキュンするものしか読んでないです。『ちはやふる』(末次由紀)は百人一首の話ですけど、ちょっと恋絡みもあって、やっぱそういうとこに惹かれて読んじゃますね。

――キュンキュン系を読み始めたのは、BLとかからなんですかね。

 そうだと思います。それこそ電子書籍って強いなって思います。そこでいろんなところを漁れたなって思います。不倫ものとか読んだりするけど、自分の使えるお金の範囲が狭い中でこれは流石にお金出して変えないなってのでも読めるので、自分もこういう系も好きなんだなって思いながら読んだりとか。最近は、高校生のキュンキュンする物語を読むのに「共感性羞恥」みたいなのがきてしまって、ちょっと恥ずかしいなって最近読めてないんです。やっぱ社会人の恋物語のほうが面白いなって。

――漫画アプリは何を使ってますか?

 LINEマンガ、ピッコマ、ゼブラック、少年ジャンプ+、pixivくらいですね。

――いつ読んでますか?

 わりと電車のときとか、寝る前とかもけっこう読んだり。待ち時間とか、サクッと一話だけ読んじゃおうとかで読めちゃうんで。でもやっぱり、そういうのを使うからこそ、紙の良さってのも感じたりして。電子書籍でも買ってるけど紙でも買っちゃうパターンのマンガとかもあるし、やっぱり紙がいいっていうのはあるので、なるべく買いに行くようにしてます。

――最近買った作品は何がありますか。

 百合なんですけど、『私の百合はお仕事です!』(未幡)っていうのがアニメ化するんで、1巻はもともと持ってたんですけど2巻を買ってみたり。ちょっと集めてみようかなって。

――アニメから入るパターンが多いですか?

 これはもともと読んでたから、「アニメ化するんだ」って感じだけど、アニメ化から入るのは『ヲタ恋』とかもそうですし、アニメ化は実写化とは違って原作から逸れすぎないから参考にしてみたりとかしてます。『ONE PIECE』もアニメは全部見てるんですけど、終わったら全巻揃えてみたいなとかも思いますし。もう最終章って言ってたから楽しみだなって。終わってる作品で言ったら、『ハイキュー!!』(古舘春一)とか、中学校のときバレー部だったので、最近集めようと思ったり。45巻はギリ集められるなと。

――最近気になっている作品はありますか?

 2巻まではもう読んだんですけど、『ウィッチウォッチ』(篠原健太)とか、これもジャンプなんですけど『マッシュル』(『マッシュル -MASHLE-』(甲本一))とか、すごく気になってます。ジャンプの連載でも、『ONE PIECE』とか終りが見えているものが多い中、新生のものがどんどん上がってきて、来るぞって言われて読んでみると確かに面白いし、楽しみだなって思いますね。あと、最近は少女漫画をもうちょっと発掘したいなと思ったんで、オススメを聞いたりして。

――友達とかに聞くんですか?

 ネット検索しています(笑)。これいいよって書いてあるやつを試し読みしてみたり。やっぱりLINEマンガとか漁ってたらオススメとかに出てくるので、それでいろいろ試し読みしてみたり。